日時:2020年11月17日(火)18:00-19:30

会場:オンライン(Zoomウェビナー)

講師:石倉大樹先生 (株)日本医療機器開発機構(JOMDD) 取締役COO

タイトル:日本発医療機器のグローバル展開への挑戦

昨年に続いて石倉先生に御講演をお願いしました。先生は医療機器開発への投資やインキュベーション事業、コンサルティングを広く手掛けるJOMDDの取締役 COOとして活躍されています。今回は医薬機器産業の概況、医療機器の事業化プロセス及び医療イノベーションの潮流に関して紹介していただきました。

医療機器産業は世界的にみて成長産業ですが、日本は輸入超過状態にあります。米国シリコンバレーに比べ日本のエコシステムの各要素(大学、VC、エンジェル投資家、インキュベーター、専門家ネットワーク)の充実は未だ十分ではありませんが、early stageへの投資増などここ10年でインフラは整いつつあるとのことです。

次に医療機器の事業化のプロセスについて、JOMDDが定めているDD案件基準及び事業マイルストンの解説と具体的事例の紹介を通じて、丁寧に説明していただきました。

DD案件基準(JOMDDが情報分析・検討を行う主要事業化要素)

1)臨床POCの検討

2)知的財産・競争優位性の構築

3)市場性・事業性

4)薬事戦略・保険償還

 

事業マイルストン(計画上キーとなるマイルストン)

1.コンセプトの証明(POC)

2.製品開発計画

3.製造の実現可能性

4.薬事戦略

5.保険償還戦略

6.商用生産計画・整備・品質保証体制

7.マーケティングと販売活動

医療イノベーションの潮流については、医療機器産業の歴史はまだ始まったばかりであること、薬事環境が変化し医療AIへの投資が加速していること、デジタル技術活用により異業種ベンチャーの参入が増加していること、、専門性がコモディティー化していることなど、現状や将来の方向性についての分析や御見解を紹介していただきました。

以上、非常に内容の濃い実践的な講演でした。これから起業を目指す方の中には、ご自身が想定されていた以上に克服するべき課題が多いことに気づかれた方がいらっしゃるかもしれません。不明な点やアドバイスが欲しい場合は早めに専門家、専門機関に相談されることをお勧めします。JOMDDはJSTのSTART(大学発新産業創出プログラム)の事業プロモーターにも採択されており、相談先の候補の一つと考えて良いと思います。

以上

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