齋藤成達先生(循環器内科 特定講師)、加藤恵理先生(循環器内科 特定助教)、糀谷泰彦先生(循環器内科 医員)にご対応いただきました。

見学者は8名、2グループに分かれて、異なる手技を見学させていただきます。まず、1グループをご案内していただく齋藤先生から見学対象の手技のご説明がありました。見学させていただくのは、閉塞性動脈硬化症・重症下肢虚血に対してのPTA(薬剤溶出性バルーン)の施行です。患者さんの血管造影所見から始まり、閉塞性動脈硬化症や重症下肢虚血について、また治療方針の三本柱、血管内バルーン拡張術、血管内ステント留置術、薬剤溶出性バルーンについて、ご丁寧にご説明いただきました。

続いて、もう1グループをご案内いただく、糀谷先生からのブリーフィングです。対象は、発作性心房細動の患者さんです。心房細動やその成因、それに伴う心原性脳梗塞について、また治療法であるカテーテルアブレーションやクライオバルーン、さらにはアブレーションで使用される機器や最新の3Dマッピングシステムについても分かりやすく解説してくださいました。

ブリーフィングの後は、両先生について見学へ。1時間ほど見学させていただきました。見学終了後は、振り返りです。見学前から結構な数の質問が出ていましたが、見学後もさらに結構な数の質問が出ていました。受講生からは、以下のような感想、気付きがありました。

●薬剤溶出と聞くと、DES(薬剤溶出性ステント) をイメージしてしまうが、バルーンにも薬剤を塗布し治療できることには驚いた。新規医療機器を検討する際、既存のモノ同士の掛け算で、新規性が高く、臨床に役立つモノができるのではないかと感じた。

●余命が長くないと思われる患者であったが、QOLを上げる為に、手術をするとのこと。どこまで治療をするのか、いつ治療をやめるのか、患者やその家族と接している医師の判断は非常に難しいと感じた。

●閉塞している血管へのアプローチ方法については、押し引きの感触などで確かめることも多いため、医師の「感触」を残したまま、操作性を改善することが求められるのではないか。

●不整脈を止める手術として、カテーテルアブレーション治療とクライオバルーン治療があることを教わった。

●ワイヤーが動く際、患者さんが大きなうめき声をあげることがあり、麻酔をしていても痛みを伴う手術であることが印象的であった。

●ステントとバルーンは、両方とも血管拡張に用いられる医療機器だが、ステントは血管内に残り、バルーンは血管内に残らず引き抜く。その使い分けが気になった。

長時間に渡り、ブリーフィング、見学、質疑応答にご対応いただきました齋藤先生、加藤先生、糀谷先生、誠にありがとうございました。昨年に引き続き、受け入れていただき感謝申し上げます。多くの気付きを得ることができました。

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