日時:2021年10月27日(水)18:30~20:30

会場:オンライン(Zoomミーティング)

講師:石倉 大樹 先生 (株)日本医療機器開発機構 取締役

内容:日本発医療機器のグローバル展開への挑戦

 

 

JOMDD(日本医療機器開発機構)の石倉先生に講義を行っていただきました。

初めに、投資業務、事業化業務、コンサルティング業務を手掛けるJOMDDの概要と事業内容を紹介された後、医療機器産業の概況、医療機器の事業化プロセス、医療イノベーションの潮流の3つの話題について説明していただきました。

 

医療機器産業は世界的にみて成長産業ですが、日本は輸入超過状態にあります。米国シリコンバレーに比べ日本のエコシステムの要素(大学、VC、エンジェル投資家、インキュベーター、専門家ネットワーク)は未だ十分ではありませんが、早期のステージへの投資増加など、インフラは整いつつあるとのことです。

 

次に医療機器の事業化のプロセスについて、以下のJOMDDが定めるDD案件基準とキーとなる事業マイルストンの解説を行っていただきました。ここでは、事業化の早い段階で海外のfeasibility studyを実施すること、味方になってくれるしっかりした専門家を取り込むこと、最初にグランドデザインを定めることなどが重要であるとされました。

 

DD案件基準(JOMDDが情報分析・検討を行っている主な事業化要素):

1)臨床POCの検討・確認

2)知的財産・競争優位性の構築

3)市場性・事業性

4)薬事戦略・保険償還

 

事業マイルストン(事業計画上でキーとなるマイルストン):

1)コンセプトの証明(POC)

2)製品開発計画

3)製造の実現可能性

4)薬事戦略

5)保険償還戦略

6)商用生産計画・整備・品質保証体制

7)マーケティングと販売活動

 

医療イノベーションの潮流については、医療機器産業の歴史はまだ始まったばかりであること、薬事環境が変化し医療AIへの投資が加速していること、デジタル技術活用により異業種ベンチャーの参入が増加していること、専門性のコモディティー化の方向性など、現状や将来の方向性についての分析や御見解を紹介していただきました。

 

最後のQ&Aセッションは時間に余裕がありましたので、メンタリングのような形で検討中のビジネスアイデアに関する様々な質疑を行うことが出来ました。アイデアに対する先生のご感想を伺ったり、POCの取り方、臨床試験の進め方、医療機器の承認取得の戦略などについて、貴重なアドバイスをいただきました。

 

以上、ビジネスモデルを評価する側の視点に立った幅広い内容の講演を行っていただきました。これから起業を目指す方の中には、ご自身が想定されていた以上に克服するべき課題が多いことに気づかれた方がいらっしゃるかもしれません。不明な点やアドバイスが必要な場合は早めに専門家、専門機関に相談されることをお勧めします。JOMDDはJSTのSTART(大学発新産業創出プログラム)の事業プロモーターにも採択されており、相談先の候補の一つと考えて良いと思います。

以上

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