日時:2022年6月8日(水)18:00-20:00

会場:オンライン(Zoomウェビナー)

内容:アントレプレナーシップ

講師:椙山泰生 先生(椙山女学園大学現代マネジメント学部 教授、京都大学 名誉教授)

 

新事業創造のためにアントレプレナーが考えるべき/実行するべきこととして、ビジネスモデル、学習プロセス及びエフェクチュエーションについて紹介していただきました。また後半のエフェクチュエーションの授業では、事前課題として出されたアイスホテルの事例発表や起業のアイデア出しの演習を行いました。

 

 

 

ビジネスモデルはリーンキャンバスによってほぼカバーされますが、特に顧客価値、利益、供給についてのしっかりした説明が求められます。

 

顧客価値:起業家は顧客にとって価値は何かを提案しなければならないがこれが出来ていないケースが多い。最初に顧客の課題を決めてその後に価値提案(Value Proposition)を行うべき。価値提案を効果的に作るには、リーンスタートアップを使って学習プロセスを回す。リーンスタートアップを早く回すためには、試作品としてMVP(Minimum Viable Products)を作り、顧客からのフィードバックを得る。PMF(Product Market Fit)に到達するには、①顧客の理解、②エバンジェリスト・カスタマーと確認、③ユーザー体験の検証、④初期顧客の獲得、のサイクルを回す必要がある。

 

利益:どうやってマネタイズするかについて、①Pricing Strategy、②Competitive Positioning、③Appropriabiliy(専有可能性)の観点での説明が求められ、VCもこれら収益構造がきっちり出来ているかに注目していることが多い。

 

エフェクチュエーション:設定したゴールに向かって手段を考える従来のアプローチ(コ―ゼーション)とは異なり、手段から始めるアプローチである(自分が出来ることを組み合わせる、使えるものからスタートする)。将来が予測不可能で、ゴールが不明確であり、自らの行動で環境が変動する場合にエフェクチュエーション戦略が有効。エフェクチュエーションの提唱者であるSarasvathyは「起業家のエキスパートたちの原則」として以下の点を指摘しており、ほとんどのケースでこのようになっていたとのこと。

 

・保有する手段で起業せよ(The bird-in-hand principle)

・許容可能損失を定めよ(The affordable-loss principle)

・偶然をうまく活用せよ(The lemonade principle)

・パートナーシップを構築せよ(The crazy-quilt principle)

 

ビジネスモデルとは何か、どのようなプロセスで作るか、どのような思考でスタートするべきかなど、アントレプレナーシップの現在の考え方について非常にわかりやすく解説していただきました。HiDEP受講生に対しては、事業創造についての確立された方法があるわけではないので、とにかく早く自分のアイデアを現場出して検証し、本当の顧客を見つけ、将来広がるニーズであることをしっかり見極めることが重要であるとのアドバイスをいただきました。

 

以上

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